日々是修養 ダイダイ日誌

日々の修養の備忘録

多様化の功罪

●多様化の時代 

 ここ最近、「今の時代は多様化している」と叫ばれいる。多様化とは大辞林によれば多くの様式や種類に分かれること、と定義している。

 例えば、結婚。結婚する、しないだけの選択だけでなく、同性婚なども認められ始めている。あるいは、住む場所。江戸時代なら隣の地域に引っ越ししたり、海外移住なんてそう簡単には行えなかった。 また、暇な時の過ごし方。今はSNSや、ソーシャルゲーム、読書、スポーツ、仮眠など様々な暇つぶしが溢れている。

 言うならば、「多様化」=「選択肢」が増えると定義できると思う。

●多様化が進んだワケ

 では何故多様化が進んでいるのだろう?

 筆者は2つ要因があると考える。

①インターネットに接続できるようになり、多くの選択肢があることを知ってしまったから。

②文明が発達し、様々な障害が減ったから。

 ①について解説します。今の時代はインターネットを通じて大量の情報にアクセスできるようになりました。そのためひと昔前とは比較にならないほど知識を知ることができます。知識が増えるということはその分様々な価値観や異文化に触れることになります。そうすると多様な考え方ができるようになり選択肢は必然的に増えるわけです。

②は文明の発達とともに様々な利器が増えてきました。交通網の発達により今まで徒歩か動物に乗るしかなかった移動手段が自動車、航空機、電車などの登場で距離という障害は解消されてきました。そのため人々の交流が活発になり、多様な考えが生まれていきます。このため多様化が進みます。

●多様化の功罪

 さて、多様化が進むことで人類は様々な選択肢を選ぶことができ、以前より自由に生きれるになってきました。しかし、ここで大きな問題が起こります。多様な選択ができるような環境は整いましたが、その環境に人々が適用できるわけではありませんでした。急激な情報量の増加に人間の許容量が適応できなくなってしまったのです。生物と言うものは何千年何万年という時間をかけて進化してきました。だからここ数十年の増加した情報量に適応できなくなっているのではないでしょうか。

 多様化とはいうなれば選択肢の増加です。あまりの選択肢の多さで人類は疲れ果てているのではないでしょうか。多様化によって今までできなかったことができるようになってきています。しかし、多様化は多くの課題があります。多様化していく社会でどう生きていくべきか、立ち止まって考えてみるべきではないでしょうか。